にゅうしゃしけん
入社試験

冒頭文

一 私は、明治四十三年四月二十三日の午前十時ごろ、新聞記者を志望して、麹町区有樂町にある報知新聞社の応接間に、私の人物試験をやりにくる人を待っていた。これより先、学校の先輩である詩人で既に報知新聞社会部記者であった平井晩村の紹介によって、履歴書を出して置いたが、一応人物試験してみないことには、採否は決められないという話であったのである。 そこで、その日人物試験に出頭したわけである。

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 『たぬき汁』以後
  • つり人ノベルズ、つり人社
  • 1993(平成5)年8月20日