みのるさんのせいしんぶんせき
実さんの精神分析

冒頭文

実さんの精神分析と言っても、私が実さんの精神を分析するのじゃない。実さんが自分の精神を分析して見せる事が多いことを言うのである。モウ一歩進んで言うと、実さんの能は非常に精神分析的であるという……そのことを言うのである。 「喜多」の第何号であったか、誰であったか記憶しないが、いずれにしても最近の事のように記憶する。実さんの能は、喜多流内のほかの人のと違って一種異妖な感じがする……とタッタ一コト

文字遣い

新字新仮名

初出

「喜多」1932(昭和7)年9月

底本

  • 夢野久作全集7
  • 三一書房
  • 1970(昭和45)年1月31日