あやまったかんてい
誤った鑑定

冒頭文

晩秋のある夜、例の如く私が法医学者ブライアン氏を、ブロンクスの氏の邸宅に訪ねると、氏は新刊のある探偵小説雑誌を読んでいた。 「探偵小説家というものは随分ひどい出鱈目(でたらめ)を書くものですね」と、氏は私の顔を見るなり、いきなりこういって話しかけた。 「え? 何のことですか?」と私は頗(すこぶ)る面喰(めんくら)って訊ね返した。 「今、ジョージ・イングランドの『血液第二種』という探偵小説

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 探偵クラブ 人工心臓
  • 国書刊行会
  • 1994(平成6)年9月20日