晩秋のある夜、例の如く私が法医学者ブライアン氏を、ブロンクスの氏の邸宅に訪ねると、氏は新刊のある探偵小説雑誌を読んでいた。 「探偵小説家というものは随分ひどい出鱈目(でたらめ)を書くものですね」と、氏は私の顔を見るなり、いきなりこういって話しかけた。「え? 何のことですか?」と私は頗(すこぶ)る面喰(めんくら)って訊ね返した。「今、ジョージ・イングランドの『血液第二種』という探偵小説を読んだ所で