くにえだしろうしのじんぶつとさくひん
国枝史郎氏の人物と作品

冒頭文

最初は国枝史郎氏論という題で書こうと思ったけれど、「論」を書くほど自分の頭は論理的に出来ていないから、「人物と作品」と題して見たものの、自分には他人の人物や作品を批評する資格は少しもなく、ただその人物に接して得た私の感じを述べるに過ぎないことをあらかじめ御断りして置く。 始めて私が国枝史郎氏の作品に接したのは今から五年ほど前である。その頃私はパリーで再発した宿痾(しゅくあ)を郷里へ持ち帰

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 探偵クラブ 人工心臓
  • 国書刊行会
  • 1994(平成6)年9月20日