スリーピー・ホローのでんせつ こディードリッヒ・ニッカボッカーのいこうより |
| スリーピー・ホローの伝説 故ディードリッヒ・ニッカボッカーの遺稿より |
冒頭文
そこは心地よいまどろみの国。夢は半ばとじた眼の前にゆれ、きらめく楼閣は流れる雲間にうかび、雲はたえず夏空に照りはえていた。 ——倦怠(けんたい)の城 ハドソン河の河幅がひろがり、むかしオランダ人の航海者がタッパン・ジーと名づけていたところでは、彼らは用心していつでも帆をちぢめ、航海者の守り、聖ニコラスに加護をねがいながら、横断したものだ。そこの東側の岸にくいこんでいる広い入江の奥に、小さな市場か田
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- スケッチ・ブック
- 新潮文庫、新潮社
- 1957(昭和32)年5月20日