ばくまついしんかいこだん 46 いしかわこうめいしとこころやすくなったはなし
幕末維新懐古談 46 石川光明氏と心安くなったはなし

冒頭文

さて、話は自然私がどうして石川光明氏と交を結ぶことになったかということに落ちて来ます。それを話します。 明治十五年、私は西町三番地の家で毎日仕事をしておりました。仕事場は往来を前にした処で、前述の通りのように至って質素な、ただ仕事が出来るという位の処であった。 その頃、木彫りは衰え切っている。しかし牙彫りの方は全盛で、この方には知名の人が多く立派に門戸を張ってやっている。その中

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 幕末維新懐古談
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1995(平成7)年1月17日