ひらがげんないとりものちょう ながさきものがたり
平賀源内捕物帳 長崎ものがたり

冒頭文

朱房銀欛(しゅぶさぎんづか)の匕首(あいくち) 源内先生は旅姿である。 旅支度と言っても、しゃらくな先生のことだから道中合羽に三度笠などという物々しいことにはならない。薄茶紬(うすちゃつむぎ)の道行(みちゆき)に短い道中差、絹の股引に結付草履(ゆいつけぞうり)という、まるで摘草にでも行くような手軽ないでたち。茶筅(ちゃせん)の先を妙にへし折って、儒者(じゅしゃ)ともつかず俳諧師(は

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本探偵小説全集8 久生十蘭集
  • 創元推理文庫、東京創元社
  • 1986(昭和61)年10月31日