ならのきだいがくしののじゅく
楢ノ木大学士の野宿

冒頭文

楢ノ木大学士は宝石学の専門だ。 ある晩大学士の小さな家(うち)へ、 「貝の火兄弟(けいてい)商会」の、 赤鼻の支配人がやって来た。 「先生、ごく上等の蛋白石(たんぱくせき)の注文があるのですがどうでしょう、お探しをねがえませんでしょうか。もっともごくごく上等のやつをほしいのです。何せ相手がグリーンランドの途方(とほう)もない成金(なりきん)ですから、ありふれたものじゃなかなか承知しないんで

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 注文の多い料理店
  • 新潮文庫、新潮社
  • 1990(平成2)年5月25日