つちがみときつね
土神ときつね

冒頭文

(一) 一本木の野原の、北のはずれに、少し小高く盛(も)りあがった所がありました。いのころぐさがいっぱいに生え、そのまん中には一本の奇麗(きれい)な女の樺(かば)の木がありました。 それはそんなに大きくはありませんでしたが幹はてかてか黒く光り、枝(えだ)は美しく伸(の)びて、五月には白い花を雲のようにつけ、秋は黄金(きん)や紅(あか)やいろいろの葉を降らせました。 ですか

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 注文の多い料理店
  • 新潮文庫、新潮社
  • 1990(平成2)年5月25日