きのいいかざんだん
気のいい火山弾

冒頭文

ある死火山のすそ野のかしわの木のかげに、「ベゴ」というあだ名の大きな黒い石が、永いことじぃっと座(すわ)っていました。 「ベゴ」と云(い)う名は、その辺の草の中にあちこち散らばった、稜(かど)のあるあまり大きくない黒い石どもが、つけたのでした。ほかに、立派な、本とうの名前もあったのでしたが、「ベゴ」石もそれを知りませんでした。 ベゴ石は、稜がなくて、丁度卵の両はじを、少しひらたくのばし

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 注文の多い料理店
  • 新潮文庫、新潮社
  • 1990(平成2)年5月25日