嘉(か)ッコは、小さなわらじをはいて、赤いげんこを二つ顔の前にそろえて、ふっふっと息をふきかけながら、土間から外へ飛び出しました。外はつめたくて明るくて、そしてしんとしています。 嘉ッコのお母さんは、大きなけらを着て、縄(なわ)を肩(かた)にかけて、そのあとから出て来ました。 「母(があ)、昨夜(ゆべな)、土ぁ、凍(し)みだじゃぃ。」嘉ッコはしめった黒い地面を、ばたばた踏(ふ)みな