いなかきょうしについて |
| 『田舎教師』について |
冒頭文
私は戦場から帰って、まもなくO君を田舎(いなか)の町の寺に訪ねた。その時、墓場を通りぬけようとして、ふと見ると、新しい墓標に、『小林秀三之墓』という字の書いてあるのが眼についた。新仏らしく、花などがいっぱいにそこに供(そな)えてあった。 寺に行って、O君に会って、種々戦場の話などをしたが、ふと思い出して、「小林秀三っていう墓があったが、きいたような名だが、あれは去年、一昨年あたり君の寺に下宿し
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 田舎教師 他一編
- 旺文社文庫、旺文社
- 1966(昭和41)年8月10日