わがせいかつ
我が生活

冒頭文

私はほんとに馬鹿だつたのかもしれない。私の女を私から奪略した男の所へ、女が行くといふ日、実は私もその日家を変へたのだが、自分の荷物だけ運送屋に渡してしまふと、女の荷物の片附けを手助けしてやり、おまけに車に載せがたいワレ物の女一人で持ちきれない分を、私の敵の男が借りて待つてゐる家(ウチ)まで届けてやつたりした。尤も、その男が私の親しい友であつたことゝ、私がその夕行かなければならなかつた停車場までの途

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻65 家出
  • 作品社
  • 1996(平成8)年7月25日