しょうすうとたすう
少数と多数

冒頭文

私は現代の傾向を要約して「量(コンティティ)」であると云ひたい。群衆と群集精神とは随所にはびこつて「質(クオリティ)」を破壊しつつある。今や私どもの全生活——生産、政治、教育——は全く数と量との上に置かれてゐる。且て自己の作品の完全と質とにプライドを持つてゐた労働者は自己に対しては無価値に一般人類にとつては有害な多額の物品を徒(いたず)らに産出する無能の自働機械に変つてしまつた。かくして「量」は人

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 定本 伊藤野枝全集 第四巻 翻訳
  • 學藝書林
  • 2000(平成12)年12月15日