ばくまついしんかいこだん 44 とううんしのいえのあとのことなど
幕末維新懐古談 44 東雲師の家の跡のことなど

冒頭文

ついでながら師匠東雲師の家の跡のことをいって置きましょう。 師が没せられて後私ら兄弟子三枝松政吉氏が後(あと)のことを私に代ってやったことは、先日話しました。東雲の二代目になる息子は、雷門の焼けた丑年生まれで、師の没せられた時は十四、五、名を栄吉(えいきち)といって後に二代東雲となりましたが、この人、気性は父に似て至って正直で、物堅い人、また甚だ楽天家でありましたが、かなり酒量の強い方の

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 幕末維新懐古談
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1995(平成7)年1月17日