ばくまついしんかいこだん 42 くまでをこしらえてうったはなし
幕末維新懐古談 42 熊手を拵えて売ったはなし

冒頭文

こういうことが続いていたが、或る年、大分大仕掛けに、父は熊手(くまで)を拵え出しました。 鳥の市でなくてならないあの熊手は誰でも知っている通りのもの。真ん中に俵が三俵。千両函(ばこ)、大福帳、蕪(かぶ)、隠れ蓑(みの)、隠れ笠(がさ)、おかめの面(めん)などの宝尽くしが張子紙で出来て、それをいろいろな絵具(えのぐ)で塗り附ける。枝珊瑚などは紅の方でも際立(きわだ)ったもの、その配色の工合

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 幕末維新懐古談
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1995(平成7)年1月17日