ばくまついしんかいこだん 40 ぼうえきひんのかたぼりをしたはなし
幕末維新懐古談 40 貿易品の型彫りをしたはなし

冒頭文

それから、また暫(しばら)くの後、或る日私が仕事場で仕事をしていると、一人の百姓のような風体(ふうてい)をした老人が格子戸(こうしど)を開(あ)けて訪(たず)ねて来ました。 その人は、チョン髷(まげ)を結って、太い鼻緒(はなお)の下駄(げた)を穿(は)き、見るからに素樸(そぼく)な風体、変な人だと思っていると、 「一つ彫刻を頼みたい」という。 「木で彫る方の彫刻なら何んでも彫りま

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 幕末維新懐古談
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1995(平成7)年1月17日