にっこう
日光

冒頭文

一 野州(やしう)はすぐれた山水の美を鍾(あつ)めてゐるので聞えてゐる。水石の美しいので聞えてゐる。深い溪谷の多いので聞えてゐる。雲煙の多いので聞えてゐる。 中でも、日光の山水を持つた大谷(だいや)川の谷と鹽原の勝を持つた箒川(はうきがは)の谷とが一番世に知られてゐる。しかし、この他に鬼怒川(きぬがは)の大きな溪谷のあることを忘れてはならない。 しかし、何と言つても一番す

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 現代日本紀行文学全集 東日本編
  • ほるぷ出版
  • 1976(昭和51)年8月1日