フランソア・コッペほうもんき |
| フランソア・コッペ訪問記 |
冒頭文
僕が詩人フランソア・コッペをマンドルの田舎に訪問したのは、十月の晴々した日であつた。僕は以前からこの別荘の名は知ってゐたし。また誰が尋ねて行つても歓迎されると云ふことも、聞いてゐた。新聞記者などがコッペの閑居『苺園(フレジエール)』の事を語る時にはいつも愉快さうな調子で話してゐたので。 ……そこで僕達は出発した。僕達といふのは学友のシャルル・ブノワが同行したからである。ブノワはコッペの縁
文字遣い
新字旧仮名
初出
底本
- 日本の名随筆74 客
- 作品社
- 1988(昭和63)年12月25日