せいねんじつぎょうか
青年実業家

冒頭文

「全(まる)でお咄(はなし)にならんサ。外債募集だの鉄道国有だのと一つの問題を五年も六年も担ぎ廻る先生の揃つてる経済界だもの。近ごろ君、経済書の売行が好(い)いさうだが、何の事は無い、盗賊(ぬすびと)を見て縄を綯(な)ふやうなもんだ。戦争以来実業が勃興したといふのが間違つてる。何が勃興してゐるもんか、更に進歩しないと云つても宜しい、畢竟空株(からかぶ)の空相場(くうさうば)が到る処に行はれたので一

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆75 商
  • 作品社
  • 1989(平成元)年1月25日