あけみのうた
曙覧の歌

冒頭文

余の初め歌を論ずる、ある人余に勧めて俊頼(としより)集、文雄(ふみお)集、曙覧(あけみ)集を見よという。それかくいうは三家の集が尋常歌集に異なるところあるをもってなり。まず源(みなもとの)俊頼の『散木弃歌集(さんぼくきかしゅう)』を見て失望す。いくらかの珍しき語を用いたるほかに何の珍しきこともあらぬなり。次に井上文雄の『調鶴(ちょうかく)集』を見てまた失望す。これも物語などにありて普通の歌に用いざ

文字遣い

新字新仮名

初出

「日本」日本新聞社、1899(明治32)年3月22日~24日、26日、28日、30日、4月9日、22日~23日

底本

  • 子規選集 第七巻 子規の短歌革新
  • 増進会出版社
  • 2002(平成14)年4月12日