しゃかいてきぶんぎょうろん
社会的分業論

冒頭文

○ クロポトキンの反対 社会主義者、無政府主義者中にて、分業制度を最も悪(にく)んだものはピエール・クロポトキンであらう。エドワアド・カアペンタアの如きも、諸種の仕事を兼業する自作小農を以て社会の健全分子だとしてゐるが、クロポトキン程には分業制を排斥しなかつた。クロは多くの社会主義者がこの分業制を支持するのを見て「さしも社会に害毒ある、さしも個人に暴戻なる、さしも多くの悪弊の源泉たる此原則」

文字遣い

新字旧仮名

初出

「ディナミック」1931(昭和6)年3月1日

底本

  • 石川三四郎著作集第三巻
  • 青土社
  • 1978(昭和53)年8月10日