しょうねん・はる
少年・春

冒頭文

1「い」とあなたがいうと「それから」と母様は仰言(おっしゃ)った。「ろ」「それから」「は」 あなたは母様の膝(ひざ)に抱っこされて居た。そとでは凩(こがらし)が恐(おそろ)しく吼(ほ)え狂うので、地上のありとあらゆる草も木も悲しげに泣き叫んでいる。 その時あなたは慄(ふる)えながら、母様の頸(くび)へしっかりとしがみつくのでした。 凩が凄(すさま)じく吼え狂うと、洋燈(ランプ)の光が明るく

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 童話集 春
  • 小学館文庫、小学館
  • 2004(平成16)年8月1日