お磯(いそ)は、可愛(かあ)い博多人形を持っていました。その人形は、黒い眼(め)と薔薇色(ばらいろ)の頬(ほお)を持った、それはそれは可愛(かあい)らしい人形でありましたから、お磯はどの人形よりも可愛がっていました。どこへゆく時にも傍(そば)をはなしませんでした。夜寝る時でさえ、そっと傍へ寝かしてやるほどでした。 ある日お磯は、牧場へ茅花(つばな)を摘みにゆきました。やはりいつものように右の手