あさ

冒頭文

ある春の朝でした。 太陽は、いま薔薇色(ばらいろ)の雲をわけて、小山のうえを越える所でした。小さい子供は、白い小さい床(ベッド)の中で、まだ眠って居(お)りました。 「お起き、お起き」柱に掛った角時計が言いました。「お起き、お起き」そう言ったけれど、よく眠った太郎(たろう)は何も聞きませんでした。「私が起して見ましょう」窓に近い木のうえに居た小鳥が言いました。 「坊ちゃんはいつも

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 童話集 春
  • 小学館文庫、小学館
  • 2004(平成16)年8月1日