おもちゃのきかんしゃ
玩具の汽缶車

冒頭文

お庭の木の葉が、赤や菫(すみれ)にそまったかとおもっていたら、一枚散り二枚落ちていって、お庭の木はみんな、裸体(はだか)になった子供のように、寒そうに手をひろげて、つったっていました。 つづれさせさせ   はやさむなるに あの歌も、もう聞かれなくなりました。北の山の方から吹いてくる風が、子供部屋の小さい窓ガラスを、かたかたいわせたり、畑の唐もろこしの枯葉を、ざわざわゆすったり、実だ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 童話集 春
  • 小学館文庫、小学館
  • 2004(平成16)年8月1日