おおきなこうもりがさ
大きな蝙蝠傘

冒頭文

それはたいそう大きな蝙蝠傘でした。 幹子(みきこ)は、この頃(ごろ)田舎(いなか)の方から新しくこちらの学校へ入ってきた新入生でした。髪の形も着物も、東京の少女に較(くら)べると、かなり田舎染みて見えました。けれど、幹子はそんな事を少しも気にかけないで、学科の勉強とか運動とか、つまり、少女のすべきことだけをやってのけると言った質(たち)の少女でした。たとえば青い空に葉をさしのべ、太陽の方

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 童話集 春
  • 小学館文庫、小学館
  • 2004(平成16)年8月1日