ひみここう
卑弥呼考

冒頭文

後漢書、三國志、晉書、北史等に出でたる倭國女王卑彌呼の事に關しては從來史家の考證甚だ繁く、或は之を以て我神功皇后とし、或は以て筑紫の一女酋とし、紛々として歸一する所なきが如くなるも、近時に於ては大抵後説を取る者多きに似たり。今余が考ふる所は此の二者に異なる者あれば試みに左の序次により、其の所見を下に述べんとす。 一、本文の撰擇 二、本文の記事に關する我邦最舊の見解 三、舊説に對す

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 内藤湖南全集 第七巻
  • 筑摩書房
  • 1969(昭和44)年8月20日