ロボットとベッドのじゅうりょう
ロボットとベッドの重量

冒頭文

一 「お前、本当に——心から、俺を愛しているかい。」 KK電気器具製作所、ロボット部主任技師、夏見俊太郎は病に蝕(むしば)まれ、それと悪闘し、そして、それに疲労してしまった顔と、声とで、その夫人に、低く話かけた。(また——病人って、どうしてこんなに、執拗(しつこい)ものなのかしら) 夫人は、頭の隅で、一寸、こう眉を、ひそめてから、 「ええ、愛していますとも。」 夫人の

文字遣い

新字新仮名

初出

「新青年」博文館、1931(昭和6)年3月号

底本

  • 懐かしい未来――甦る明治・大正・昭和の未来小説
  • 中央公論新社
  • 2001(平成13)年6月10日