「こうすいのひょうじょう」について ――まんだんてきむだばなし――
「香水の表情」に就いて ――漫談的無駄話――

冒頭文

ライオン歯磨本舗・広告部 悪の華    一 季節は移つてきて、香水の欲しい初夏(はつなつ)となつた。シヨウ・ヰンドウにも、美しい香水の瓶や、香水吹きが列(なら)べられる。デパートの香水売場で、若い婦人だちの香水撰択の情景が繁くなる。 けれど、香水の複雑した表情に就いては、割合に無関心であるらしい。香水の表情とは、香水の良否の見分け方以外のことです。香気のもつれに出る細かい幻想

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆48 香
  • 作品社
  • 1986(昭和61)年10月25日