ばくまついしんかいこだん 34 わたしのまもりほんぞんのはなし
幕末維新懐古談 34 私の守り本尊のはなし

冒頭文

さて、五体の観音は師匠の所有に帰し「まあ、よかった」と師匠とともに私は一安心しました。しかし、私にはここで一つの希望が起りました。私は、数日の後、師匠に向い、その望みを申し出(い)でました。 「師匠、あの観音五体の中で一体を私にお譲り下さいませんか。私はそれを自分の守り本尊(ほんぞん)として終生祭りたいと思うのです。もっともお譲り下さるならば、師匠がお求めになった代を私はお払いしますから」

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 幕末維新懐古談
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1995(平成7)年1月17日