はんせいのぶんがくげんじものがたり
反省の文学源氏物語

冒頭文

源氏物語は、一口に言えば、光源氏を主人公として書かれた物語である。此光ると言うのは、我々の普通に考える様な名とは、少し違った意味を持っている。女の方に例を取って見ると、源氏の生母桐壺更衣の没後、父桐壺の帝の寵愛(ちょうあい)せられた藤壺寵愛(ノ)女御を、「かゞやく日の宮」と書いている。人間の容貌をほめる為に、ひかる・かがやくなど言う言葉を使ったので、良い意味のあだ名の様な名づけ方なのである。光君は

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 昭和文学全集第4巻
  • 小学館
  • 1989(平成元)年4月1日