しごとしてのにほんご
詩語としての日本語

冒頭文

銘酊船 さてわれらこの日より星を注(すす)ぎて乳汁色(ちちいろ)の海原の詩(うた)に浴しつゝ緑なす瑠璃を啖(くら)ひ行けばこゝ吃水線は恍惚として蒼ぐもり折から水死人のたゞ一人(ひとり)想ひに沈み降り行く見よその蒼色(あをぐもり)忽然として色を染め金紅色(きんこうしよく)の日の下にわれを忘れし揺蕩(たゆたひ)は酒精(アルコル)よりもなほ強く汝(なれ)が立琴(リイル)も歌ひえぬ愛執の苦(にが)き赤痣を

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 昭和文学全集 第4巻
  • 小学館
  • 1989(平成元)年4月1日