びのにほんてきげんせん
美の日本的源泉

冒頭文

民族の持つ美の源泉は実に深く、遠い。その涌(わ)き出ずる水源は踏破しがたく、その地中の噴き出口は人の測定をゆるさない。厳として存在し、こんこんとして溢(あふ)れて止まぬ其の民族を貫く民族特有の美の源泉は、如何なる外的条件のかずかずを並べ立ててみても説明しがたく、殆ど解析の手がかり無き神秘さを感じさせる。近寄ってこれを観れば、或は紛々として他と分ちがたい程の交流に接する時さえありながら、一歩退いてこ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 昭和文学全集第4巻
  • 小学館
  • 1989(平成元)年4月1日