なよたけ |
なよたけ |
冒頭文
『竹取物語』はこうして生れた。 世の中のどんなに偉い学者達が、どんなに精密な考証を楯(たて)にこの説を一笑に付そうとしても、作者はただもう執拗(しつよう)に主張し続けるだけなのです。 「いえ、竹取物語はこうして生れたのです。そしてその作者は石(いそ)ノ上(かみ)ノ文麻呂(ふみまろ)と云(い)う人です。……」 人物 石(いそ)ノ上(かみ)ノ綾麻呂(あやまろ) 石ノ上ノ文麻呂(ふ
文字遣い
新字新仮名
初出
「三田文学 四・五月号、六月号、七・八月号、九月号、十・十一月号」1946(昭和21)年5月~10月
底本
- 美しい恋の物語〈ちくま文学の森1〉
- 筑摩書房
- 1988(昭和63)年2月29日