にっき 09 せんきゅうひゃくにじゅうさんねん(たいしょうじゅうにねん) |
| 日記 09 一九二三年(大正十二年) |
冒頭文
二月十日 二三日前から、東京には珍らしい大雪があった。九日に鎌倉に来ようと云う自分には、少なからぬ事の行違いを生ぜさせるのではあるまいかと危ぶまれた。七日に、戸外では北海道のようだと云う程降雪のある畳廊下で荷作りをして居ると、母上が、止めろと、再三再四云われる。あまり火の気のない廊下は寒いから、一週間程以前からぬけずに居る風邪が、きっと重ると、云われるのである。 丁度泊りがけで鎌倉に行って居
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 宮本百合子全集 第二十三巻
- 新日本出版社
- 1979(昭和54)年5月20日