にっき 04 せんきゅうひゃくじゅうしちねん(たいしょうろくねん)
日記 04 一九一七年(大正六年)

冒頭文

一月一日 今年は好い正月な筈だ——と云うと少し可笑しいが、三十一日までは、何となしにぎやかで、快い正月になりそうな心持がして居た。けれども、なって見ると少し違った。妙に皆の心の中に負けおしみのようなこだわりがあって、長閑(のどか)なところが少ない。それは、云うまでもなく、くに[#国男]が警察から連れてこられて、あのはじの部屋にポツンとして居るからなのである。互に不調和な心持でいけない。

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 宮本百合子全集 第二十三巻
  • 新日本出版社
  • 1979(昭和54)年5月20日