せいじのろんりとにんげんのろんり
政治の論理と人間の論理

冒頭文

トハチェフスキー元帥らの銃殺および最近ソヴェートにおける清党工作は世界を驚かせた。元来この事件についてはいまだ正確な事実を知り得ず、伝えられることの多くは臆測の要素を含み、あるいは何らかの為めにする宣伝ですらあるようである。したがってこの事件に対する我々の批評も、単なる感想にとどまらざるを得ない。 この事件によってソヴェート政権および赤軍が脆弱(ぜいじゃく)になったとは考えられないであろ

文字遣い

新字新仮名

初出

「セルパン」1937(昭和12)年8月号

底本

  • 現代日本思想大系33
  • 筑摩書房
  • 1966(昭和41)年5月30日