ばくまついしんかいこだん 22 ちょうへいてきれいのはなし
幕末維新懐古談 22 徴兵適齢のはなし

冒頭文

とかくする中(うち)、ここに降って湧(わ)いたような事件が起りました。 明治六年に寅歳(とらどし)の男が徴兵に取られた。それはそれ切りのことと思って念頭にもなかった。その当時の社会一般に人民が政治ということに意を留めなかった証拠で、こういう事柄に関する世の中のことは一向分らぬ。もっとも徴兵令はその以前に発布されて新しい規則が布(し)かれていたのであろうが、新聞といっても『読売(よみうり)

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 幕末維新懐古談
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1995(平成7)年1月17日