ばくまついしんかいこだん 18 いちどいえにかえりちちにいさめられたはなし
幕末維新懐古談 18 一度家に帰り父に誡められたはなし

冒頭文

今の猫と鼠の話のあった前後の頃おい(確か十五の年)は徳川氏の世の末で、時勢の変動激しく、何かと騒擾(そうじょう)が引き続く。 それにつけて、四時の天候なども甚だ不順であって、凶作が続き、雨量多く、毎日、じめじめとイヤな日和(ひより)ばかりで、米は一円に二斗八升(一銭に二合八勺)という高値となる。今までは円に四斗もあったものが、こう暴騰すれば世の中も騒がしくなるは当り前である。しかし、米は

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 幕末維新懐古談
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1995(平成7)年1月17日