あごじゅうろうとりものちょう 18 えいたいきょう
顎十郎捕物帳 18 永代経

冒頭文

角地争(かどちあらそ)い 六月十五日の四ツ半(夜の十一時)ごろ、浅草柳橋(やなぎばし)二丁目の京屋吉兵衛(きょうやきちべえ)の家から火が出、京屋を全焼して六ツ(十二時)過ぎにようやくおさまった。 隣家は『大清(だいせい)』というこのごろ売りだしの大きな湯治場(とうじば)料理屋だが、この日はさいわいに風のない晩だったのと水の手が早かったのとで、塀を焼いただけで助かったが、京屋のほうは

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 久生十蘭全集 Ⅳ
  • 三一書房
  • 1970(昭和45)年3月31日