あごじゅうろうとりものちょう 15 ひだかがわ |
| 顎十郎捕物帳 15 日高川 |
冒頭文
金の鱗(うろこ) 看月(つきみ)も、あと二三日。 小春日に背中を暖めながら、軽口をたたきたたき、五日市街道の関宿の近くをのそのそと道中をするふたり連れ。ひょろ松と顎十郎。 小金井までの気散じの旅。名代(なだい)の名木(めいぼく)、日の出、入日はもう枯葉ばかりだが、帰りは多摩川へぬけて、月を見ながら鰻でも喰おうというつもり。 ひょろ松は、小金井鴨下村(こがねいかもしたむら)の庄屋の伜で、
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 久生十蘭全集 Ⅳ
- 三一書房
- 1970(昭和45)年3月31日