あごじゅうろうとりものちょう 14 ハンドカチフ
顎十郎捕物帳 14 蕃拉布

冒頭文

夕立(ゆうだち)の客(きゃく) 「……向島(むこうじま)は夕立の名所だというが、こりゃア、悪いときに降りだした」 「佐原屋(さわらや)は、さぞ難儀していることだろう。……長崎屋さん、ときに、いま何字でございますね」 「はい、ちょうど七字と十ミニュート……」 「ああ、そうですか。……六字に神田を出たとして、駕籠ならば小泉町、猪牙(ちょき)ならば厩橋あたり。……ずぶ濡れになって、さぞ、弱ってい

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 久生十蘭全集 Ⅳ
  • 三一書房
  • 1970(昭和45)年3月31日