あごじゅうろうとりものちょう 09 たんちょうのつる
顎十郎捕物帳 09 丹頂の鶴

冒頭文

二の字の傷 恒例(こうれい)の鶴御成(つるおなり)は、いよいよ明日にせまったので、月番、北町奉行永井播磨守(ながいはりまのかみ)が、城内西の溜(たまり)で南町奉行池田甲斐守(いけだかいのかみ)と道中警備の打ちあわせをしているところへ、 「阿部さまが、至急のお召し」 と、お茶坊主が迎えに来た。 鶴御成というのは、十月の隅田川、浜御殿の雁(かり)御成、駒場野の鶉(うずら)御

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 久生十蘭全集 Ⅳ
  • 三一書房
  • 1970(昭和45)年3月31日