あごじゅうろうとりものちょう 08 こおりけんじょう
顎十郎捕物帳 08 氷献上

冒頭文

賜氷(しひょう)の節(せつ)「これ、押すな、押すな。……押すな、と申すに」「どうか、お氷を……」「あなただけが貰いたいのじゃない、みな、こうして待っている」「……ほんの、ひとかけでも……」「いま、順にくださる、お待ちなさい……」「じつは……」「おい、お武家さん、おれたちは、こうして炎天に照らされながら二刻(ふたとき)も前から待っているんです。……つい、いま来て、先にせしめようというなあ、すこしばか

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 久生十蘭全集 Ⅳ
  • 三一書房
  • 1970(昭和45)年3月31日