あごじゅうろうとりものちょう 04 かまいたち
顎十郎捕物帳 04 鎌いたち

冒頭文

魚釣談義(うおつりだんぎ) 神田小川町『川崎』という釣道具屋。欅の大きな庇(ひさし)看板に釣鈎(つりばり)と河豚(ふぐ)を面白い図柄に彫りつけてあるので、ひとくちに、神田の小河豚屋(しおさいや)で通る老舗(しにせ)。 その店先に、釣鈎や釣竿、餌筥(えばこ)などをところも狭(せ)にとりひろげ、ぬうとかけているのが顎十郎。所在なさに、とうとう釣りでもはじめる気と見える。 顎十

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 久生十蘭全集 Ⅳ
  • 三一書房
  • 1970(昭和45)年3月31日