うすゆきしょう |
| うすゆき抄 |
冒頭文
寛文本、仮名草紙の「薄雪物語」では、園部左衛門が清水寺で薄雪姫という美女に逢い、恋文を送って本意をとげたが、愛人に死なれて無情を感じ、高野山に入って蓮生(れんじょう)法師になる。操浄瑠璃の「新薄雪」は文耕堂が時代世話にこしらえ、道行の枕に「旅立に日の吉凶(よしあし)をえらばぬは、落人(おちうど)の常なれや」というのが小出雲(こいずも)の名文句として知られている。 どちらも慶長三年の「うすゆきも
文字遣い
新字新仮名
初出
「オール讀物」1952(昭和27)年1月号~3月号
底本
- 久生十蘭全集 Ⅱ
- 三一書房
- 1970(昭和45)年1月31日