びてきせいかつをろんず |
美的生活を論ず |
冒頭文
一 序言 古の人曰へらく、人は神と財とに兼ね事(つか)ふること能はず。されば生命の爲に何を食ひ、何を飮み、また身體の爲に何を衣(き)むと思ひ勞(わづ)らふ勿れ。生命は糧(かて)よりも優(まさ)り、身體は衣(ころも)よりも優りたるものならずやと。人若し吾人の言をなすに先だちて、美的生活とは何ぞやと問はば、吾人答へて曰はむ、糧と衣よりも優りたる生命と身體とに事ふもの是れ也と。 二
文字遣い
旧字旧仮名
初出
底本
- 日本現代文學全集8 齋藤緑雨・石橋忍月・高山樗牛・内田魯庵集
- 講談社
- 1967(昭和42)年11月19日