タネリはたしかにいちにちかんでいたようだった |
タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった |
冒頭文
ホロタイタネリは、小屋の出口で、でまかせのうたをうたいながら、何か細かくむしったものを、ばたばたばたばた、棒で叩(たた)いて居(お)りました。 「山のうえから、青い藤蔓(ふじつる)とってきた …西風ゴスケに北風カスケ… 崖(がけ)のうえから、赤い藤蔓とってきた …西風ゴスケに北風カスケ… 森のなかから、白い藤蔓とってきた …西風ゴスケに北風カスケ… 洞(
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- ポラーノの広場
- 新潮文庫、新潮社
- 1995(平成7)年2月1日