ばくまついしんかいこだん 14 もうかのなかのわたしたち
幕末維新懐古談 14 猛火の中の私たち

冒頭文

私は十四の子供で、さして役には立たぬ。大人(おとな)でもこの猛火の中では働きようもない。私の師匠の東雲と、兄弟子の政吉と、私の父の兼松(かねまつ)(父は師匠の家と私とを心配して真先に手伝いに来ていました)、それに私と四人は駒形堂の方から追われて例の万年屋の前へ持ち出した荷物を卸し、此所(ここ)で、どうなることかと胸を轟(とどろ)かしている。火勢はいやが上に募って広小路をも一舐(ひとな)めにせん有様

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 幕末維新懐古談
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1995(平成7)年1月17日